OTC類似薬を含む患者自己負担の見直しについて

政府は、医療費適正化と公平性の観点から、医療用医薬品のうち市販薬で代用可能なものについて、2027年3月より新たな自己負担(特別負担)を導入する方針を固めました。
内容を端的にまとめましたので、業務のご参考にしていただけると幸いです。
OTC類似薬とは?
「OTC類似薬」とは、病院で処方される医療用医薬品のうち、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬(OTC医薬品)と成分や使い方が実質的に同一であるものを指します。
具体的には、以下の3つの条件をすべて満たすものが対象として定義されています。
- 成分が同一:含まれている有効成分が市販薬と同じであること。
- 投与経路が同一:飲み薬、塗り薬、点鼻薬など、薬を体に入れる方法が同じであること。
- 1日最大用量が同一:1日に使用できる成分の最大量が市販薬と同等であること。
1. 制度の概要と目的
- 新制度の創設: OTC医薬品でも対応可能な症状について、通常の窓口負担とは別に「特別負担」を求める仕組みを創設し、2027年3月より実施 。
- 導入の目的: 市販薬を自費で購入している人との公平性の確保、および現役世代の保険料負担の軽減が主な目的 。
2. 対象となる医薬品と負担額
- 対象範囲: 市販薬と成分・投与経路・1日最大用量が同一である医療用医薬品、77成分(約1,100品目)が対象 。
- 特別負担: 対象薬剤の薬剤費の4分の1を、保険外の特別負担として徴収し、残りの4分の3を保険適応。(自己負担割合3割まで)

第209回社会保障審議会医療保険部会 「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について」より抜粋
3. 配慮措置と今後の展望
- 配慮が必要な対象: こども、がん・難病患者、低所得者、入院患者、および医師が医療上必要と判断した場合は、特別の料金を求めない予定 。
- 今後の拡大: 令和9年度以降、対象範囲のさらなる拡大や、料金(薬剤費の割合)の引き上げについても検討される予定 。
特別料金の対象となる医薬品の成分一覧(案)
スクロールできます
| 1 | アシクロビル | 抗ウイルス薬 |
| 2 | アシタザノラスト水和物 | 抗アレルギー薬 |
| 3 | アスコルビン酸 | ビタミン剤 |
| 4 | アンモニア水 | 鎮痒鎮痛収れん消炎剤 |
| 5 | イソコナゾール硝酸塩 | 抗真菌薬 |
| 6 | イソプロパノール | 殺菌消毒剤 |
| 7 | イトプリド塩酸塩 | 胃薬 |
| 8 | イブプロフェン | 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) |
| 9 | イブプロフェンピコノール | 非ステロイド系消炎鎮痛剤 |
| 10 | インドメタシン | 鎮痛消炎剤 |
| 11 | エタノール | 殺菌消毒剤 |
| 12 | エピナスチン塩酸塩 | 抗アレルギー薬 |
| 13 | L-カルボシステイン | 去痰薬 |
| 14 | 塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン | 点鼻用血管収縮剤 |
| 15 | オキシコナゾール硝酸塩 | 抗真菌薬 |
| 16 | オキシテトラサイクリン塩酸塩・ヒドロコルチゾン | 抗生物質・副腎皮質ホルモン配合剤 |
| 17 | オキシドール | 殺菌消毒剤 |
| 18 | オリブ油 | 皮膚保護剤 |
| 19 | 希ヨードチンキ | 殺菌消毒剤 |
| 20 | クロトリマゾール | 抗真菌薬 |
| 21 | クロラムフェニコール | 抗生物質 |
| 22 | クロラムフェニコール・フラジオマイシン硫酸塩・プレドニゾロン | 抗生物質 |
| 23 | クロルヘキシジングルコン酸塩 | 殺菌消毒剤 |
| 24 | ケトチフェンフマル酸塩 | 抗アレルギー薬 |
| 25 | サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジンメチレンジサリチル酸塩 | 総合感冒剤 |
| 26 | サリチル酸 | 寄生性皮膚疾患剤 |
| 27 | サリチル酸メチル・dl-カンフル・トウガラシエキス | 鎮痛消炎剤 |
| 28 | サリチル酸メチル・l-メントール・dl-カンフル | 鎮痛消炎剤 |
| 29 | サリチル酸メチル・l-メントール・dl-カンフル・グリチルレチン酸 | 鎮痛消炎剤 |
| 30 | 酸化マグネシウム | 制酸・緩下剤 |
| 31 | 酸化亜鉛 | 収れん・消炎・保護剤 |
| 32 | 次亜塩素酸ナトリウム | 殺菌消毒剤 |
| 33 | ジクロフェナクナトリウム | 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) |
| 34 | 消毒用エタノール | 殺菌消毒剤 |
| 35 | 静脈血管叢エキス | 痔治療薬 |
| 36 | 精製水 | 溶解剤 |
| 37 | 炭酸水素ナトリウム | 胃腸薬 |
| 38 | 沈降炭酸カルシウム・コレカルシフェロール・炭酸マグネシウム | カルシウム配合剤 |
| 39 | チンク油 | 消炎薬 |
| 40 | デキサメタゾン | ステロイド |
| 41 | テルビナフィン塩酸塩 | 抗真菌薬 |
| 42 | トコフェロール酢酸エステル | ビタミン剤 |
| 43 | トリアムシノロンアセトニド | 口内炎・舌炎薬 |
| 44 | 尿素 | 皮膚軟化剤 |
| 45 | 白色ワセリン | 軟膏基剤 |
| 46 | ハチミツ | 矯味剤 |
| 47 | ピコスルファートナトリウム水和物 | 緩下剤 |
| 48 | ビサコジル | 便秘薬 |
| 49 | ビダラビン | 抗ウイルス薬 |
| 50 | ヒドロコルチゾン酪酸エステル | ステロイド |
| 51 | フェキソフェナジン塩酸塩 | 抗アレルギー薬 |
| 52 | フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン | 抗アレルギー薬 |
| 53 | フェルビナク | 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) |
| 54 | ブテナフィン塩酸塩 | 抗真菌薬 |
| 55 | 複方ヨード・グリセリン | 口腔用殺菌消毒剤 |
| 56 | ブドウ酒 | 滋養強壮薬 |
| 57 | フラボキサート塩酸塩 | 頻尿・残尿感薬 |
| 58 | フルチカゾンプロピオン酸エステル | ステロイド |
| 59 | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル | ステロイド |
| 60 | ベタメタゾン吉草酸エステル | ステロイド |
| 61 | ベタメタゾン吉草酸エステル・フラジオマイシン硫酸塩 | ステロイド |
| 62 | ヘパリン類似物質 | 血行促進・皮膚保湿剤 |
| 63 | ベポタスチンベシル酸塩 | 抗アレルギー薬 |
| 64 | ペミロラストカリウム | 抗アレルギー薬 |
| 65 | ベルベリン塩化物水和物・ゲンノショウコエキス | 止瀉剤 |
| 66 | ベンザルコニウム塩化物 | 殺菌消毒剤 |
| 67 | ホウ砂 | 眼科用剤 |
| 68 | ホウ酸 | 眼洗浄・消毒薬 |
| 69 | ポビドンヨード | 殺菌消毒剤 |
| 70 | ポリエンホスファチジルコリン | 高脂血症薬 |
| 71 | マルツエキス | 乳幼児用便秘薬 |
| 72 | ミコナゾール硝酸塩 | 抗真菌薬 |
| 73 | 無水エタノール | 殺菌消毒剤 |
| 74 | モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物 | アレルギー性鼻炎治療薬 |
| 75 | ヨウ素 | 殺菌消毒剤 |
| 76 | ロキソプロフェンナトリウム水和物 | 解熱鎮痛消炎剤 |
| 77 | ロラタジン | 抗アレルギー薬 |
第209回社会保障審議会医療保険部会 第9回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会(参考資料3)を基に作成
詳しい内容をご確認されたい場合は、下記のリンクよりご確認いただけます。


