2026年調剤報酬改定 vol-10 薬学管理料(かかりつけ薬剤師指導料)の見通し

調剤報酬点数は、医薬品、医療機器の直接的費用である薬剤料・特定保険医療材料を除けば、調剤技術料・薬学管理料の2つからなっています。
薬学管理料は、大きく分けて「調剤管理料」、「服薬管理指導料」、「かかりつけ薬剤師指導料」、「服薬情報等提供料」などからなります。今回は「かかりつけ薬剤師指導料」の改定の方向性について解説していきます。

かかりつけ薬剤師指導料とは(現行)
薬局に複数回来局している患者に対して、患者の同意を得た後、次回の処方箋受付時以降に算定可能。
かかりつけ薬剤師指導料 76点
算定においては、施設基準、業務要件を満たす必要があります。下記に簡単にまとめました。施設基準も地域支援体制加算と同様であり、また業務要件も特別なものではないため、やはり「患者の同意」が一番のハードルであるとの印象を受けます。
施設基準
| 項目 | 概要 |
| 1. 経験・勤務体制 | 3年以上の実務経験(病院勤務も最大1年これに含めることができる)がある薬剤師を配置。対象者は当該薬局に1年以上在籍し、週32時間以上(時短特例あり)勤務していること。 |
| 2. 認定資格 | 薬剤師認定制度認証機構(CPC)などが認証する研修認定薬剤師を取得していること。 |
| 3. 地域活動 | 地域ケア会議や学校薬剤師、自治体のイベントなど、地域の医療活動に参画していること。 |
| 4. プライバシー | 仕切り(パーテーション)のある独立カウンターを設置するなど、相談内容が他者に漏れない配慮がなされていること。 |
業務要件
| 業務内容 | |
| 指導・記録 | 患者の理解に合わせた指導を行い、お薬手帳へ記載する。他院の薬・市販薬・健康食品を含め全ての情報を薬歴に集約し、他局でも「かかりつけ」がいることを伝えるよう促す。 |
| 継続的フォロー | 調剤後も電話や訪問等で状況を確認。重要な情報は処方医へフィードバックし、処方提案を行う。患者の同意があれば検査値に基づいた管理も行う。 |
| 残薬・訪問対応 | 残薬整理を推進し、必要に応じて自宅訪問して整理を行う。 |
| 相談体制 | 休日・夜間も電話相談に応じる。開局時間外の連絡先を伝え、やむを得ない場合も速やかに折り返す。外出先でも薬歴が閲覧できる体制が望ましい。 |
また、「服薬管理指導料」と同様に「麻薬管理指導加算(22点)」「特定薬剤管理指導加算1~3(月100点、都度5~10点など)」「乳幼児服薬指導加算(12点)」「小児特定加算(350点)」「吸入薬指導加算(30点)」などがあります。 吸入薬指導加算についての議論の内容についてはこちら
かかりつけ薬剤師指導料の今後の見通し
正直に申し上げますと、かかりつけ薬剤師指導料の見通しは、現段階では不明です。しかし、かかりつけ薬剤師の服薬指導について、一定の評価はあるようです。

しかしながら、かかりつけ薬剤師指導料算定に関してノルマ化している現状やかかりつけ薬剤師の算定要件である薬剤師の基準があるため、患者の意思とは反して、かかりつけ薬剤師を選ぶことができない現状があるようです。個人的には、かかりつけ薬剤師を算定できる要件についての条件緩和があるのでないかと考えています。


まとめ
- かかりつけ薬剤師指導料についての一定の評価
- 特に「服薬に関する不安の解消」への寄与があり、一定の評価をされている。
- 現場での「ノルマ化」についての問題
- 約半数の薬局で同意件数等のノルマがあり、「患者の主体的な選択」ではなく「薬局側の目標達成」のための同意取得が行われている実態がある。
- 算定をできる薬剤師の条件
- 保険薬剤師としての3年以上の保険薬局勤務経験および当該保険薬局における1年以上の在籍が定められている。この要件が足かせとなり、「患者の主体的な選択」を妨げている可能性がある。
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