2026年診療報酬改定 短冊 薬剤師、調剤事務の賃上げ 調剤ベースアップ評価料について(2月6日現在)

厚生労働省は1月30日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その3)」(いわゆる短冊)を議題としました。具体的な点数はまだ伏せられたままですが、ついに、2026年の調剤報酬改定の実態が見えてまいりましたので、速報としてお伝えいたします。今回は、調剤薬局において新設される予定の「調剤ベースアップ評価料」の要件について詳しく解説します。
この加算は、医療・介護・障害福祉分野での賃上げ対応の一環として導入されるもので、算定した収益は全額を職員の賃金改善(ベースアップ等)に充てることが求められる仕組みになると考えられます(医科のベースアップ評価料と同様のスキーム)。
1.調剤ベースアップ評価料の概要
• 目的: 薬局に勤務する薬剤師及び事務職員等の確実な賃上げを図ること。
• 算定単位: 処方箋の受付1回につき算定。
算定要件(患者に対する請求要件)
以下の条件を満たす保険薬局において調剤を行った場合に算定できます。
1. 体制の整備と届出: 職員の賃金改善を図る体制について、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているとして、地方厚生局長等に届け出ていること。
2. 段階的な評価:
◦ 令和8年度(2026年度)中: 所定の点数を算定します(点数は「●●点」とされており未定)。
◦ 令和9年(2027年)6月以降: 所定点数の 100分の200(2倍) に相当する点数を算定します。
2.「調剤ベースアップ評価料」の算定に必要な手続きの見込み
新設される「調剤ベースアップ評価料」等の算定に必要な手続きについて解説します。
提示された資料によると、この加算を算定するためには、単に点数を計算するだけでなく、「賃上げを実施するための体制」を整備し、地方厚生局長等へ届け出る必要があります。
具体的な手続きや要件は以下の通りです。
1. 施設基準の届出(必須)
「調剤ベースアップ評価料」を算定するためには、以下の基準を満たしていることをあらかじめ地方厚生局長等に届け出る必要があります。
• 対象職員の在籍: 当該保険薬局に勤務する薬剤師や事務職員等(対象職員)がいること。
• 賃金改善体制の整備: 対象職員の賃金改善(ベア等)を実施するために必要な体制が整備されていること。
2. 賃金改善計画の作成と実行(体制整備の内容)
医科・歯科のベースアップ評価料の例や、これまでの賃上げ促進策の枠組みを踏まえると、薬局においても以下のようなプロセスが求められると考えられます。
• 計画の策定: 算定によって得られる見込み収益を計算し、それを全額、職員の賃金改善(基本給や手当の引き上げ)に充てる計画を策定します。
• 「継続的な賃上げ」の実施: 今回の改定では、「継続的に賃上げを実施している」ことが重視されており、これを行っている医療機関・薬局とそうでない場合で評価や減算の適用が異なる仕組みが導入されています,。
◦ 特に令和9年6月以降は、点数が2倍になるなど段階的な引き上げが予定されており、長期的な賃上げ継続が前提となっています。
3. 実績報告(見込み)
具体的な報告様式は掲載されていませんが、他の「ベースアップ評価料」と同様に、以下の報告が必要になる可能性が高いです。
• 賃金改善実績報告書: 年度終了後(毎年8月頃など)に、算定した点数分の収入が、実際に職員の賃金改善に充てられたかどうかを報告する手続き。
• 医科の例では「継続して賃上げに係る取組を実施した」ことを届け出ることで、点数が加算されたり減算を免れたりする仕組みが提案されています。薬局においても、賃上げの実績が評価の要件として組み込まれる形になる可能性があります。
まとめ
想定される必要な手続きとしては、「賃上げ計画を立てて厚生局へ届け出ること」と、「実際に賃上げを行い、その実績を管理(報告)すること」の2点です。特に今回は、単年の対応ではなく「継続的な賃上げ」を行っているかどうかが、令和9年以降の点数増額や減算回避の鍵となる可能性が高いです。
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※2026年1月30日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。

