【クリニック向け】2026年診療報酬改定 短冊 外来医療・かかりつけ医機能について(2月5日現在)

厚生労働省は1月28日、1月30日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その2)」「個別改定項目について(その3)」を議題としました。具体的な点数はまだ伏せられたままですが、ついに、2026年の診療報酬改定の実態が見えてまいりましたので、速報としてお伝えいたします。外来医療・かかりつけ医機能について少し詳しく説明いたします。
主なポイントは、生活習慣病管理の適正化と連携強化、地域包括診療の対象拡大、および時間外対応や災害対策(BCP)の強化です。
1. 生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)の大幅な見直し
生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症)に対する管理について、包括範囲の適正化や他科との連携、事務負担の軽減が図られます。
• 包括範囲の縮小(管理料Ⅱ): 生活習慣病の治療管理の範囲を超えた検査や、生活習慣病と関係の乏しい疾患、時間外・救急対応などは「生活習慣病管理料(Ⅱ)」の包括範囲から除外され、別途出来高での算定が可能になります。
• 他科連携の評価新設: 糖尿病患者に対し、眼科や歯科と連携した場合の評価として「眼科医療機関連携強化加算」および「歯科医療機関連携強化加算」が新設されます,。
• 事務負担の軽減: 療養計画書への患者署名が不要となります。
• 在宅自己注射の併算定: 糖尿病以外の疾患に対する在宅自己注射指導管理料の併算定が可能になります。
• データ提出の評価: 生活習慣病の治療管理状況等のデータを提出する医療機関に対し、新たな評価(外来データ提出加算、充実管理加算)が設けられます。
2. 地域包括診療加算・診療料の対象拡大と要件緩和
かかりつけ医機能を評価する「地域包括診療加算」および「地域包括診療料」について、対象疾患の追加や統合が行われます。
• 対象疾患の追加: 従来の4疾患(脂質異常症、高血圧症、糖尿病、認知症)に加え、慢性心不全と慢性腎臓病(透析を行っていないもの)が追加されます,,。
• 認知症加算の統合: 「認知症地域包括診療加算」および「認知症地域包括診療料」は、地域包括診療加算・診療料に統合され、認知症も対象疾患の一つとして扱われます。
• 連携薬局要件の緩和: 院内処方で緊急時の解熱鎮痛剤等に対応できる体制があれば、連携薬局の「24時間開局」要件が緩和されます,。
• 残薬確認の必須化: 患家における残薬を確認し、適切な服薬管理を行うことが要件とされます。
3. 機能強化加算と時間外対応の強化
かかりつけ医機能の届出要件に災害対策が加わるとともに、時間外対応への評価が手厚くなります。
• 機能強化加算の要件厳格化: 災害時の業務継続計画(BCP)の策定が要件に追加されます。また、地域医療への協力要請に応じず指定期間が3年とされた医療機関は算定対象外となります。
• 時間外対応体制加算の充実: 名称が「時間外対応体制加算」に変更され、評価(点数)が引き上げられます。
4. 病診連携の推進(逆紹介・紹介受入)
大病院との役割分担を進めるため、紹介・逆紹介に関する評価が見直されます。
• 特定機能病院等紹介患者受入加算(新設): 特定機能病院等からの紹介患者に対し、診療所(または200床未満の病院)が初診を行った場合の新たな評価が設けられます。
• 連携強化診療情報提供料の見直し: 紹介元だけでなく紹介先(受入側)の診療所等でも算定可能となり、月1回の頻度で評価されます。
5. その他
• 特定疾患療養管理料: 対象疾患から、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与が禁忌である胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者(NSAIDs投与中を除く)が除外されます。
• 長期処方・リフィル処方箋: 28日以上の長期処方やリフィル処方箋に対応可能である旨を院内に掲示し、患者の求めに応じて対応することが、「特定疾患療養管理料」等の要件となります。
まとめ
外来・かかりつけ医機能は、生活習慣病管理の適正化と連携強化、対象疾患の拡大により大きく変わります。
まず「生活習慣病管理料」は、疾患と関係の乏しい検査等を包括範囲から除外して出来高算定可能とする一方、糖尿病患者に対する眼科・歯科との連携評価を新設します。また、療養計画書の患者署名が不要となります。
かかりつけ医機能を評価する「地域包括診療料」等は、対象疾患に慢性心不全と慢性腎臓病を追加し、認知症加算を統合します。緊急時の院内処方体制があれば、連携薬局の24時間開局要件も緩和されます。さらに「機能強化加算」の要件に災害時のBCP策定が追加されるほか、大病院からの紹介患者を受け入れる際の評価も新設されます。
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※2026年2月1日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。

