2026年調剤報酬改定 vol-6 調剤管理料(本体部分)の見通し

調剤報酬点数は、医薬品、医療機器の直接的費用である薬剤料・特定保険医療材料を除けば、調剤技術料・薬学管理料の2つからなっています。
調剤技術料は、大きく分けて調剤基本料・調剤料・各種加算料の3つからなります。今回は「調剤基本料」本体部分(調剤基本料1~3、特別調剤基本料A、B)の改定の方向性について解説していきます。

まずはじめに、現行の調剤基本料について確認をしましょう。前回の調剤報酬改定の際の厚生労働省資料です。

令和6年3月5日版 令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】より抜粋
大型チェーン薬局以外では、月の処方せんの受付回数により調剤基本料1の集中率のハードルが変わってきます。
調剤基本料1の算定要件(2025年現在)
- ~1800回/月 集中率(考慮必要なし)
- 1800回~2000回/月 集中率95%以下
- 2000回~4000回/月 集中率85%以下
- 4000回~/月 集中率70%以下(ただし、処方箋受付回数が多い上位3の保険医療機関の合計処方箋集中率が70%を超える場合は、調剤基本料2となる)
2026年調剤報酬改定ではどのような変更が予想されるか
2026年の調剤報酬改定では、主な3つの変更が予想されています。特に医療モールや敷地内薬局を経営していない、一般的な中小規模薬局においては、1.高齢者施設の調剤に伴う、処方箋集中率の計算方法の見直し の内容が最も関係があるかと思います。
1.高齢者施設の調剤に伴う、処方箋集中率の計算方法の見直し
いままで、居宅療養管理指導など在宅関連の点数を算定せず、外来と同じ服薬管理指導料の算定により、高齢者施設の調剤を行うことで処方箋集中率を下げ、調剤基本料2ではなく調剤基本料1を算定できていました。中医協では「意図的に~」との表現があり、集中率の操作と受け止められている印象です。

引用元:中医協 総-2 7.11.28 調剤について(その2)「処方箋集中率の計算」 /厚生労働省
しかし、中医協ではこの点が問題点として挙げられているため、改定では、高齢者施設の調剤分は集中率の計算から除外することが予想されます。
2医療モールの処方箋集中率の計算方法の見直し
いままで、処方箋受付回数が月4,000枚超かつ処方箋受付回数が多い上位3の保険医療機関の合計処方箋集中率(70%)を超える場合については、調剤基本料2の算定とされていました。しかし、医療機関が3つ以上存在する医療モールにある薬局においては、医療モール全体での集中率が100%であるにも関わらず、この基準を下回り、調剤基本料1が算定しているという現状があるそうです。

引用元:中医協 総-2 7.11.28 調剤について(その2)「医療モールにおける処方箋集中率」/厚生労働省
中医協ではこの点が問題点として挙げられているため、改定では、医療モール全体で処方箋集中率を計算することが改定が予想されます。
3.特別調剤基本料の算定要件に関する見直し
現在、特別調剤基本料Aの除外規定として、「薬局がある建物に診療所が入っている場合は、除く」という除外規定があります。

引用元:中医協 総-2 7.10.24 個別事項について(その3)「特別な関係にあたる賃貸借関係の規定②」 /厚生労働省
この除外規定のあり方が、特に議論されています。



引用元:中医協 総-2 7.10.24 個別事項について(その3)「ただし書きの在り方を検討するにあたり、考慮が必要な形態の例①~③」 /厚生労働省
このような状況から、特別調剤基本料の除外規定の見直しがかかる可能性が高いです。
一方で、へき地の場合、自治体が医療機関や薬局を誘致して、地域の医療体制を確保している状況があります。

自治体が誘致しているのに、特別調剤基本料の算定はそぐわないという観点から、除外される見通しです。
まとめ
2026年の改定では、点数の高い「調剤基本料1」の算定維持がより厳しくなる見通しです。主な変更予測として、以下の3点が挙げられます。
1.特別調剤基本料の除外規定の見直し
敷地内薬局などに適用される「特別調剤基本料」に関し、建物内に診療所がある場合の除外規定が見直される方向です。一方で、自治体の誘致によって地域医療を支えている「へき地」などのケースについては、例外として配慮される方針です。
2.高齢者施設調剤の計算方法の見直し
これまで集中率を下げるために活用されていた「高齢者施設向けの調剤分」が、計算から除外される可能性が高まっています。特に中小規模の薬局において、実質的な集中率が上昇し、調剤基本料2へ移行せざるを得ないケースが増えると予想されます。
3.医療モールにおける集中率判定の厳格化
複数の医療機関が集まるモール内の薬局について、現在は個別の医療機関ごとに集中率を計算していますが、今後は「モール全体」の合計で計算する方式へ変更される見込みです。


