2026年調剤報酬改定 vol-8 薬学管理料(調剤管理料)の見通し

調剤報酬点数は、医薬品、医療機器の直接的費用である薬剤料・特定保険医療材料を除けば、調剤技術料・薬学管理料の2つからなっています。

薬学管理料は、大きく分けて「調剤管理料」、「服薬管理指導料」、「かかりつけ薬剤師指導料」、「服薬情報等提供料」などからなります。今回は「調剤管理料」の改定の方向性について解説していきます。

厚生労働省 令和6年3月5日版 令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】より抜粋

調剤管理料について

現在、調剤管理料の点数が「日数」で分かれている仕組みが、大きな転換期を迎えています。 もともと「調剤料」という一つの塊だったものが、令和4年に「作業への対価(対物)」と「対人スキルへの対価(対人)」に切り分けられました。本来、対人業務である「管理料」は日数に関わらず評価されるべきものですが、現在は急激な変化を避けるために、あえて日数の区分を残している状態と言えます。一律化へ向けた調整が始まる可能性は非常に高いです。

(現行の調剤管理料)

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区分対象・条件日数規定点数
調剤管理料1内服薬(※1剤につき算定。内服用滴剤、浸煎薬、湯薬、屯服薬を除く)7日分以下4点
8日分以上 14日分以下28点
15日分以上 28日分以下50点
29日分以上60点
調剤管理料2内服薬以外4点

①調剤管理加算について

調剤管理加算は、多くの薬を服用する患者に対する薬学的管理を評価した点数です。「調剤管理料」自体が一律点数化へと向かう議論がある中で、この「調剤管理加算」もまた、「薬剤師が何をしたか(アウトカム)」ではなく「薬がいくつあるか(モノの状況)」に基づいた評価であるため、真っ先に見直しの対象になるのは自然な流れと言えます。

  • 薬の数が多いほど点数が高くなる仕組みは、薬剤師が「薬を減らす(ポリファーマシー是正)」動機を削ぎ、逆に「現状維持」を肯定してしまう懸念がある。
  • 多剤処方のチェックは薬剤師の当然の義務(基本業務)であり、それを「加算」として別途評価し続けることの妥当性が問われている。
  • 薬を減らした際に算定できる「服用薬剤調整支援料」等がある一方で、多い状態を維持して加算を取るのは政策の一貫性に欠ける。

②重複投薬・相互作用等防止加算について

重複投薬・相互作用等防止加算については、2つの観点により見直しの可能性が高いです。

1. オンライン資格確認の普及と「業務の変質」

オンライン資格確認の普及により、以前は手作業で行っていた併用薬チェックの業務負担が大幅に軽減されています。一方で、重複や相互作用が、臨床的に許容されるものか、あるいは処方変更が必要なものかを判断し、疑義照会を行う「対人業務」の重要性は変わっていません。点数自体が廃止されることは無いまでも、評価の見直しは想定されます。

2. 調剤報酬の簡素化(外来・在宅の統合)

現在、この加算は「残薬調整かそれ以外か」「外来か在宅か」で細かく点数が分かれていますが、これが複雑さの要因となっています。中医協での簡素化の議論を踏まえると、区分を統合し、包括的な一律点数へと集約される可能性があります。

まとめ


  1. 調剤管理料   現在は「日数」に応じて点数が設定されていますが、本来は対人スキルへの評価であるため、日数を問わない一律の点数設定へ移行する可能性が高まっています。
  2. 調剤管理加算   「薬の数が多いほど点数が高い」現状の仕組みは、ポリファーマシー(多剤服用)の是正と逆行するため、算定要件や評価の妥当性が厳しく問われています。
  3. 重複投薬・相互作用等防止加算   オンライン資格確認の普及でチェック作業が効率化されたため、見直しの可能性があります。また、在宅か外来に関わらず、シンプルな評価体系へ集約される可能性がもあります。