【クリニック向け】2026年診療報酬改定 最新動向を簡単に解説(1月25日現在)

厚生労働省は1月23日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その1)」を議題としました。具体的な点数はまだ伏せられたままですが、ついに、2026年の診療報酬改定の実態が見えてまいりましたので、速報としてお伝えいたします。

今回の改定案では、物価高騰・賃上げへの対応、かかりつけ医機能の評価見直し、在宅医療の質の向上、医療DXの推進などが主な柱となっています。

詳細をお知りになりたい方は、中央社会保険医療協議会 総会(第644回) 議事次第(リンクページ)をご確認ください。

1. 物価高騰・賃上げ対応と基本診療料の引き上げ

診療所の経営基盤を支えるため、初・再診料の引き上げや新たな加算が設けられます。

初・再診料の引き上げ: 診療所の初診料および再診料が引き上げられます。

物価対応料の新設: 令和8年度・9年度の物価高騰に対応するため、外来・在宅・入院(有床診療所含む)において「物価対応料」が新設されます。令和9年6月以降は点数が倍増(100分の200)する段階的な評価となります。

ベースアップ評価料の見直し: 医療従事者の賃上げを推進するため、「外来・在宅ベースアップ評価料」等の評価が見直されます。継続的に賃上げを実施している診療所とそれ以外で評価が区分されます。

2. 外来医療・かかりつけ医機能の評価見直し

生活習慣病管理や時間外対応など、かかりつけ医機能に関する要件が厳格化・整理される一方で、新たな連携評価が新設されます。

生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)の見直し:

    ◦ 包括範囲の縮小: 生活習慣病とは直接関係の乏しい検査や、時間外対応などは包括範囲から除外されます。

    ◦ 連携の評価: 糖尿病患者に対し、眼科や歯科と連携した場合の「眼科医療機関連携強化加算」「歯科医療機関連携強化加算」が新設されます。

    ◦ 事務負担軽減: 療養計画書への患者署名が不要となります。

地域包括診療加算等の対象拡大: 対象患者に慢性心不全、慢性腎臓病(透析除く)を有する患者が追加されます。また、認知症地域包括診療加算は統合・整理されます。

時間外対応加算の充実: 名称が「時間外対応体制加算」に変更され、評価(点数)が引き上げられます。

機能強化加算の要件厳格化: 災害時の業務継続計画(BCP)の策定が要件に加わります。

特定機能病院等紹介患者受入加算: 特定機能病院等からの紹介患者に対し、診療所(または200床未満の病院)が初診を行った場合の新たな評価が設けられます。

3. 在宅医療の質の向上と災害対策

24時間対応体制の実態に応じた評価や、災害対策の強化が盛り込まれています。

在宅療養支援診療所のBCP策定: 在宅療養支援診療所の施設基準に、業務継続計画(BCP)の策定と定期的な見直しが追加されます。

連携型機能強化型の評価見直し: 複数の医療機関で連携する場合、自院で実際に往診体制(当直等)を確保しているかどうかで評価が細分化されます。

在宅緩和ケア充実診療所・病院加算: 名称や要件が見直され、看取りや緩和ケアの実績に応じた評価となります。

残薬確認の義務化: 地域包括診療加算や在宅時医学総合管理料等の算定において、患家の残薬を確認し、適切な服薬管理を行うことが要件とされます。

4. 医療DXの推進

既存の加算が廃止され、新たな体制整備加算へと再編されます。

電子的診療情報連携体制整備加算の新設: 「医療情報取得加算」および「医療DX推進体制整備加算」は廃止され、初診・再診時に算定可能な「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されます。電子処方箋の発行体制や電子カルテ情報共有サービスの活用などが要件となります。

5. 有床診療所に関する見直し

医師配置加算の柔軟化: 有床診療所入院基本料の「医師配置加算」等の施設基準において、非常勤医師の実労働時間を常勤換算して算入できるようになります。

入院基本料の引き上げ: 物価高騰対応として、有床診療所入院基本料の点数が引き上げられます。

6. その他

長期処方・リフィル処方箋: 28日以上の長期処方やリフィル処方箋に対応可能である旨を院内に掲示し、患者の求めに応じて対応することが、特定疾患療養管理料等の要件となります。

一般名処方加算: バイオ後続品(バイオシミラー)のあるバイオ医薬品についても、一般名処方の評価対象となります。

まとめ

物価・賃上げへの緊急対応 初・再診料の引き上げに加え、「物価対応料」を新設(R9.6以降は倍増)。賃上げ継続実施の有無に応じた評価見直しも行われます。

外来・かかりつけ医機能のメリハリ化 生活習慣病管理料の事務負担軽減(署名不要)と連携評価(眼科・歯科)を新設する一方、機能強化加算等におけるBCP(業務継続計画)策定が要件化されます。

在宅医療の質と実態の適正化 在宅療養支援診療所にもBCP策定を義務化。連携型における24時間対応の実態(自院当直の有無)による評価の細分化や、残薬確認が必須となります。

医療DXの再編 従来のDX関連加算を廃止し、電子処方箋やカルテ情報共有を要件とした「電子的診療情報連携体制整備加算」へ一本化されます。

有床診療所の支援 医師配置要件の緩和(非常勤の常勤換算可)および入院基本料の引き上げが行われます。

処方ルールの変更 長期・リフィル処方への対応掲示の義務化や、バイオシミラーの一般名処方が推進されます。

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※2026年1月24日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。