【AI図解で直感的に分かる】2026年調剤報酬改定 在宅業務の充実について(3月11日現在)

【連載開始】薬局クライシス!となりの薬局はなぜモメたのか?
〜処方箋では治せない「人」のトラブル〜
本コラムは、日々現場と経営に奔走する調剤薬局の経営者・薬局長に向けた「労務トラブル解決ガイド」です。「うちは仲が良いから大丈夫」という思い込みや優しさが引き金となる、突然のスタッフ退職やお局様問題などのリアルな事例を物語形式で紹介します。日々、孤軍奮闘される皆様へ向け、薬局特有の労務に精通した社労士が、法的かつ穏便な予防・解決策を専門用語を極力使わずに分かりやすく解説します。リンクはこちらから↓
【AI図解で直感的に分かる】2026年調剤報酬改定 在宅業務の充実について(3月11日現在)
2月13日 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)にて2026年調剤報酬改定の全貌が明らかになる、「答申」が発表されました。
今後の在宅療養患者の増加を見据え、薬局・薬剤師に対し、より柔軟な対応や高度な薬学的管理、そして他職種(特に医師)との強力な連携を求める内容となっています。

1. 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔の制限撤廃
訪問薬剤管理指導をより円滑かつ実態に合わせて実施できるよう、算定ルールの緩和と体制整備の義務化が行われました。
- 「6日間隔」制限の撤廃:これまで、月2回以上算定する場合(末期がん患者等を除く)は「算定する日の間隔を6日以上とする」という制限がありましたが、これが撤廃され、「週1回を限度とする」に見直されました。これにより、患者の状況に合わせた柔軟な日程調整が可能になります。

- 時間外対応の明確化(要件追加):休日や夜間を含む開局時間外であっても対応できるよう、初回の訪問時に当該薬局の連絡先や緊急時の注意事項(在宅協力薬局の連絡先等を含む)を文書で提供し、電話等で対応できなかった場合は速やかに折り返し連絡を行うことが新たに要件化されました。

2. 【新設】医師と薬剤師の同時訪問の評価
在宅医療におけるポリファーマシー(多剤服用)対策や残薬対策を推進するため、医師と薬剤師が連携して同時に患者宅を訪問した場合の評価が新設されました。この評価は、医科と調剤(薬局)の双方に設けられています。

- 医科の評価:訪問診療薬剤師同時指導料(300点/6月に1回)
- 訪問診療を実施している医師が、訪問薬剤管理指導等を実施している薬剤師と同時に訪問し、療養上必要な指導を行った場合に算定します。
- 調剤の評価:訪問薬剤管理医師同時指導料(150点/6月に1回)
- 訪問薬剤管理指導等を実施している薬剤師が、訪問診療を実施している医師と同時に訪問し、薬学的管理及び指導を行った場合に算定します。

3. 【新設】複数名薬剤管理指導訪問料(300点)
行動面での運動興奮等がみられる状態にあるなど、薬剤師1名での訪問指導が困難な患者に対する安全な医療提供体制を評価する加算が新設されました。

- 対象患者:通院が困難な患者のうち、医師が複数名訪問の必要性があると認める患者。
- 算定要件:患者や家族の同意を得た上で、当該薬局または在宅協力薬局に勤務する職員(薬剤師以外の職員でも可)とともに複数名で訪問し、必要な薬学的管理と指導を行った場合に算定します。
4. 在宅薬学総合体制加算の再編と厳格化
高度な在宅訪問薬剤管理指導を提供できる薬局の体制を評価する「在宅薬学総合体制加算」について、要件が大幅に引き上げられ、実績に応じた細分化が行われました。

- 在宅薬学総合体制加算1(15点:変更なし)
- 点数は据え置きですが、直近1年間の訪問薬剤管理指導等の実績要件が、旧基準の「計24回以上」から「計48回以上」へと倍増しました。

- 在宅薬学総合体制加算2(100点 または 50点に細分化)
- 点数の細分化:単一建物診療患者(または居住者)が1人の場合は「100点」、それ以外の場合は「50点」へと評価が分かれました。

- 施設基準の厳格化:旧基準にあった無菌製剤処理設備の保有要件が廃止された一方で、以下の極めて高い実績と体制が求められるようになりました。
- 訪問実績:直近1年間の訪問回数が「計240回以上かつ全体の2割超」または「計480回以上かつ全体の1割超」であること。
- 高度な実績(いずれか1つを満たす):①麻薬管理指導等の実績が10回以上、②無菌製剤処理加算の実績が1回以上、③乳幼児加算・小児特定加算の実績が6回以上のいずれかを満たすこと。
- 人員配置:常勤換算で3名以上の保険薬剤師が勤務し、開局時間中は原則として2名以上の薬剤師が常駐し、調剤応需と在宅患者の急変等に対応可能な体制をとっていること。

まとめ
今後の在宅療養患者の増加を見据え、薬局や薬剤師には「患者の状況に合わせた柔軟な対応」「高度な薬学的管理の提供」、そして「他職種(特に医師)との強力な連携」が求められる内容となっています。
在宅医療における薬局の役割は、単なる「薬のお届け」ではなく、「医師等と緊密に連携しながら高度な薬学的管理を提供し、地域の24時間対応を支える拠点」としての機能がより強く求められる体系へとシフトしたと言えます。
今後も最新情報等を見逃さないため、メール配信の登録をお勧めいたします。
※2026年2月13日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。
【連載開始】薬局クライシス!となりの薬局はなぜモメたのか?
〜処方箋では治せない「人」のトラブル〜
本コラムは、日々現場と経営に奔走する調剤薬局の経営者・薬局長に向けた「労務トラブル解決ガイド」です。「うちは仲が良いから大丈夫」という思い込みや優しさが引き金となる、突然のスタッフ退職やお局様問題などのリアルな事例を物語形式で紹介します。日々、孤軍奮闘される皆様へ向け、薬局特有の労務に精通した社労士が、法的かつ穏便な予防・解決策を専門用語を極力使わずに分かりやすく解説します。リンクはこちらから↓


