2026年診療報酬改定  短冊 「地域支援体制加算」改め「地域支援・医薬品供給対応体制加算」について(1月29日現在)

厚生労働省は1月28日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その2)」(いわゆる短冊)を議題としました。具体的な点数はまだ伏せられたままですが、ついに、2026年の調剤報酬改定の実態が見えてまいりましたので、速報としてお伝えいたします。「地域支援体制加算」改め「地域支援・医薬品供給対応体制加算」について現時点で分かっていることをお伝えいたします。

詳細をお知りになりたい方は、中央社会保険医療協議会 総会(第645回) 議事次第(リンクページ)をご確認ください。

1.加算の全体像と構成

この加算は、従来の「地域支援体制加算」と「後発医薬品調剤体制加算」を統合・再編したものです。土台となる「加算1」の上に、地域医療への貢献度や調剤基本料の区分に応じて「加算2~5」が積算される構造になっています。

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区分対象となる薬局の目安要件の概要(組み合わせ)
加算1全ての算定薬局の土台医薬品安定供給体制 + 後発医薬品使用割合
加算2調剤基本料1の薬局 (実績:高)加算1 + 調剤基本料1 + 地域貢献(体制) + 地域貢献(実績:十分)
加算3調剤基本料1の薬局 (実績:中)加算1 + 調剤基本料1 + 地域貢献(体制) + 地域貢献(実績:相当)
加算4調剤基本料1以外も可 (実績:高)加算1 + (基本料1 or 特別B以外) + 地域貢献(体制) + 地域貢献(実績:十分)
加算5調剤基本料1以外も可 (実績:中)加算1 + (基本料1 or 特別B以外) + 地域貢献(体制) + 地域貢献(実績:相当)

※「基本料1 or 特別B以外」とは、調剤基本料1、または「特別調剤基本料B」以外の薬局(調剤基本料2や3なども含む)を指します

(1)医薬品安定供給体制と後発医薬品使用割合(加算1の要件)

「加算1」は、他の全ての加算の基礎となります。以下の安定供給体制後発医薬品の使用割合の両方を満たす必要があります。

1. 後発医薬品(ジェネリック)の使用割合

    ◦ 後発医薬品のある先発医薬品と後発医薬品を合算した規格単位数量に占める、後発医薬品の割合が「●割以上」であること(具体的な数値は未公表)。

2. 医薬品の安定供給体制(主な要件)

    ◦ 在庫・備蓄: 計画的な調達・在庫管理を行い、重要供給確保医薬品(内用・外用)を1か月程度分備蓄するよう努めること(卸に在庫させるだけでは不可)。

    ◦ 分譲: 他の保険薬局に医薬品を分譲した実績があること(同一グループ薬局への分譲は除く)。

    ◦ 供給不足時の対応: 患者の処方薬が入手困難な場合、在庫を持つ他の薬局を紹介する、または処方医に内容変更を照会する等の適切な対応を行うこと。

    ◦ 24時間対応: 地域の薬局等と連携し、24時間の調剤・在宅対応体制を確保すること(連携薬局のリスト共有等)。

    ◦ 適正な取引: 個々の医薬品の価値を無視した値引き交渉や、頻回配送・急配の過度な依頼を慎むこと。

    ◦ 周知: 後発医薬品の調剤に積極的に取り組んでいる旨を掲示すること。

(2)地域医療への貢献(体制要件)

加算2~5で求められる「体制」です。以下の要件が示されています。

夜間・休日対応: 24時間調剤及び在宅業務に対応できる体制(単独または連携)。

麻薬対応: 麻薬小売業者の免許を受けていること。

在宅対応: 在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行っていること。

設備要件:

    ◦ 調剤室の面積: 令和8年6月以降に新規開設・増築等を行う薬局は、16平方メートル以上であること。

    ◦ セルフメディケーション: セルフメディケーション関連機器を設置していること。

不適切事例の排除: 薬事承認されていない研究用試薬や検査サービスを販売・提供していないこと。

(3)地域医療への貢献(実績要件)

加算2~5で求められる「実績」です。「十分(高い水準)」と「相当(一定の水準)」の2段階の基準(回数等は伏せ字)が設定されますが、対象となる業務内容は共通して以下のような項目になります-。

夜間・休日等の対応実績: 時間外加算等の算定回数。

麻薬の調剤実績: 麻薬管理指導加算等の算定回数。

在宅業務の実績: 在宅患者訪問薬剤管理指導料等の算定回数(単一建物診療患者が1人の場合の実績や、小児・医療用麻薬・無菌製剤等の実績が重視される構成)。

かかりつけ機能の実績: かかりつけ薬剤師指導料(廃止後は「服薬管理指導料1のイ」)の算定回数。

多職種連携・薬学的管理の実績:

    ◦ 重複投薬・相互作用等防止加算(改定後は「薬学的有害事象等防止加算」等)の算定回数。

    ◦ 服用薬剤調整支援料の算定回数(※ただし、「服用薬剤調整支援料2」は今回の要件見直しに伴い、実績要件から削除される予定です)。

    ◦ 外来服薬支援料の算定回数。

    ◦ かかりつけ医やケアマネジャー等との連携会議への出席など。

経過措置

後発医薬品の使用割合: 令和8年3月31日時点で現に「後発医薬品調剤体制加算」を届け出ている薬局については、令和9年5月31日までの間、新設される「加算1」の後発医薬品使用割合の基準を満たしているとみなす経過措置が設けられます。

まとめ

1.基本的な構成

土台となる「加算1」の要件を満たした上で、地域医療への貢献度(体制・実績)や調剤基本料の区分に応じて「加算2~5」が決まる仕組みです。

加算1(土台): 医薬品安定供給体制 + 後発医薬品使用割合

加算2~5: 加算1 + 地域医療への貢献(体制・実績) + 調剤基本料区分

2.各要件のポイント

(1)医薬品安定供給体制(加算1の必須要件)

地域における医薬品供給の拠点としての機能が求められます。

備蓄: 重要な医薬品(内用・外用)を1か月程度分備蓄すること(卸への在庫依頼のみは不可)。

連携: 他の薬局への在庫確認や分譲、24時間対応等の連携体制。

周知: 後発医薬品の調剤に積極的である旨の掲示。

(2)後発医薬品の使用割合(加算1の必須要件)

• 後発医薬品のある先発品と後発品の合計に対する、後発医薬品の数量シェアが一定以上であること。

(3)地域医療への貢献(加算2~5の要件)

以下の「体制」と「実績」の両方が求められます。

体制要件: 24時間調剤・在宅対応体制、麻薬小売業者免許、在宅業務の届出、OTC薬等の設置、調剤室面積(新規等は16㎡以上)など。

実績要件: 夜間・休日対応、麻薬調剤、在宅業務、かかりつけ薬剤師指導、残薬調整などの実績回数。

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※2026年1月28日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。