【クリニック向け】2026年診療報酬改定 答申 基本診療料の引き上げと賃上げ・物価高騰対応について簡単に解説(2月16日現在)

2月13日 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)にて2026年診療報酬改定の全貌が明らかになる、「答申」が発表されました。今回の改定(令和8年度)では、医療従事者の賃上げや昨今の物価高騰に対応するため、基本診療料の引き上げに加え、特掲診療料(その他)の項目として新たな評価料(加算)が創設されました。

1. 初診・再診料の引き上げ(基本診療料)

物価上昇や賃金上昇の動向を踏まえ、基本的な診療の対価である初診料などが引き上げられました。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者が作成)

初診料: 291点 (3点引き上げ)

再診料: 76点 (3点引き上げ)

外来診療料: 77点 (3点引き上げ)

    ◦ 情報通信機器(オンライン診療)を用いた場合の再診は 76点 となりました。

2. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(新設)

医療現場で働く職員(医師・歯科医師を除く)の賃上げを行うための「原資」として、初診・再診等のたびに算定できる点数です。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者が作成)

目的: 主として医療に従事する職員(看護師、薬剤師、事務職員など)の賃金改善を図る体制を整備すること。

対象: 地方厚生局長等に届け出た保険医療機関。

点数:

    ◦ 初診時: 17点

    ◦ 再診時等: 4点

    ◦ 訪問診療時:

        ▪ 同一建物居住者等以外の場合:79点

        ▪ 同一建物居住者等の場合:19点

ポイント: すべての患者に対して一律に加算されるため、広く薄く賃上げ原資を確保する仕組みです。

3. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)(新設)

「評価料(Ⅰ)」だけでは、目標とする賃上げ(例えばベースアップ)に必要な額に届かない医療機関に対し、不足分を補うために上乗せで算定できる点数です。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者が作成)

仕組み: 必要な賃上げ額に応じて、1段階から24段階までの区分が設けられています。医療機関は自身の状況に合った区分を届け出ます。-

点数設定:

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者が作成)

    ◦ 初診時: 段階に応じて 8点(区分1) 〜 192点(区分24)

    ◦ 再診時等: 段階に応じて 1点(区分1) 〜 24点(区分24)

    ◦ 訪問診療時: 初診時と同じ点数が設定されています(8点〜192点)。

算定要件: 「評価料(Ⅰ)」を届け出ていることが前提であり、さらなる賃金改善が必要な場合に、その必要額に応じた区分で算定します。

4. 外来・在宅物価対応料(新設)

昨今の光熱費や食材料費などの物価高騰による医療機関の経営圧迫に対応するため、特掲診療料(その他)として新設されました。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者が作成)

目的: 賃上げ以外のコスト増(物価高騰)への対応。

点数:

    ◦ 初診時: 2点

    ◦ 再診時等: 2点

    ◦ 訪問診療時: 3点

位置づけ: 入院医療における「入院物価対応料」と対になるもので、外来や在宅医療の場面で算定されます。

まとめ

今回の改定では、基本診療料のベースアップ(初診料+3点など)に加え、「人への投資(賃上げ)」と「物への対応(物価高騰)」を明確に分けた加算が新設された点が大きな特徴です。特に「ベースアップ評価料」は、(Ⅰ)で基本部分を確保し、(Ⅱ)で個別の事情に合わせて追加確保できる2階建ての構造になっています。

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※2026年2月13日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。