【クリニック向け】2026年診療報酬改定 最新動向を解説(基本診療料について)

今回の改定では、昨今の物価高騰や賃金上昇の情勢を踏まえ、診療所の経営基盤を維持・強化するために、基本診療料の引き上げに加え、段階的な引き上げ措置を持つ新しい加算が創設・見直されています。

1. 初・再診料等の引き上げ(物件費高騰への対応)

これまでおよび今後の物価高騰による物件費(光熱費、医療材料費、委託費等)の負担増に対応するため、診療所の基本診療料が引き上げられます。

対象: 診療所における初診料、再診料、および有床診療所入院基本料などの点数が引き上げられます。

背景: 医療機関が直面する人件費や物件費の高騰を踏まえた対応です。

2. 「物価対応料」の新設

令和8年度および令和9年度に見込まれるさらなる物価高騰に対応するため、基本診療料に上乗せする形で新たな評価(加算)が設けられます。

    ◦ 外来・在宅物価対応料: 初診時、再診時、訪問診療時に算定。

    ◦ 入院物価対応料: 有床診療所入院基本料などを算定している患者に対して算定。

・段階的な評価(ポイント):

    ◦ この加算は、物価上昇に段階的に対応する仕組みとなっており、令和9年6月以降は、点数が倍増(所定点数の100分の200)します。

    ◦ これにより、年度ごとのコスト増に対してきめ細かな財政支援が行われる形になります。

3. ベースアップ評価料の見直し(賃上げ対応)

医療従事者の人材確保と賃上げを確実に実施するため、既存の「ベースアップ評価料」の仕組みが強化・再編されます。

評価の区分化:

    ◦ 「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」および「(Ⅱ)」について、「継続的に賃上げを実施している診療所」と、それ以外の診療所で評価(点数)が区分されます。

    ◦ 継続的な賃上げを行っている旨を届け出た場合、より高い点数が算定可能となります,。

・段階的な評価(ポイント):

    ◦ 物価対応料と同様に、令和9年6月以降は評価が倍増(100分の200)する仕組みが導入され、長期的な賃上げ原資の確保を支援します。

対象範囲:

    ◦ 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ): 初診、再診、訪問診療時に算定。

    ◦ 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ): 評価料(Ⅰ)だけでは賃上げに必要な原資が不足する場合に、その不足分を補うために算定(対象職員の給与総額の一定割合未満等の要件あり)-。

    ◦ 入院ベースアップ評価料: 有床診療所等の入院患者に対しても算定可能であり、こちらも継続的な賃上げ実施の有無や令和9年6月以降の増点が適用されます。

これらの措置により、診療所は物価高騰によるコスト増を吸収しつつ、スタッフの賃上げを持続的に行うための原資を診療報酬から確保できる仕組みとなっています。

まとめ

1. 基本診療料(初・再診料等)の引き上げ 光熱費や医療材料費などの物件費高騰に対応するため、初診料・再診料・有床診療所入院基本料などの基本点数が引き上げられます。

2. 「物価対応料」の新設と段階的支援 今後のさらなる物価上昇に備え、基本診療料に上乗せできる「物価対応料」(外来・在宅・入院)が新設されます。

3. ベースアップ評価料の強化(賃上げ促進) 既存の「ベースアップ評価料」が再編されます。「継続的な賃上げ」を実施していると届け出た診療所は、より高い点数が算定可能になります。

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※2026年1月24日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。