【AI図解で直感的に分かる】賃上げ・物価上昇支援事業実施要綱について

調剤ベースアップ評価料に関連した事業として、薬局も対象とした、賃上げ・物価上昇対応のための給付金がございますので、解説いたします。
詳しくは、「令和7年度 医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業の実施について」(外部リンク)または、各都道府県のポータルサイトをご確認ください。
1. 支援事業の目的と対象となる薬局
本事業は、物価高騰の影響を踏まえ、薬局で働く従業員の処遇改善(賃上げ支援事業)と、薬局の経営改善(物価支援事業)を目的として都道府県を通じて給付金が支給される制度です。
- 対象施設: 健康保険法上の保険医療機関コードが発行されており、令和7年4月1日から本事業の申請時点までに調剤報酬請求の実績がある薬局が対象です。
- 新規開設の特例: 令和7年5月1日以降に開設した薬局は、本事業の申請時点で運営している店舗数に応じて支援の対象となります。
2. 支援の支給額
支給額は、「所属する同一グループ内の保険薬局の数」に応じて決定されます。
【グループ店舗数の考え方】
原則として、令和7年4月30日時点の店舗数(厚生(支)局へ届出を行っている「保険薬局における施設基準届出状況報告書」等に記載の数)に基づきます。 なお、同一グループには、①最終親会社等、②その子会社等、③その関連会社等、④フランチャイズ契約を締結している者が含まれます。
① 賃上げ支援事業の支給額
- 1店舗以上 5店舗以下(当該薬局を含む): 1施設あたり 145,000円
- 6店舗以上 19店舗以下(当該薬局を含む): 1施設あたり 105,000円
- 20店舗以上(当該薬局を含む): 1施設あたり 70,000円

② 物価支援事業の支給額
- 1店舗以上 5店舗以下(当該薬局を含む): 1施設あたり 85,000円
- 6店舗以上 19店舗以下(当該薬局を含む): 1施設あたり 75,000円
- 20店舗以上(当該薬局を含む): 1施設あたり 50,000円
3. 賃上げ支援事業の詳細
対象となる職員
- 薬局の開設者と労働契約を締結している者(非常勤職員を含む)が対象です。
- 対象外となる者: 薬局の開設者、および管理薬剤師は賃上げ支援の対象に含まれません。
申請の要件(ベースアップ評価料について)
- 原則として、令和8年6月1日時点で「令和8年度診療報酬改定による見直し後のベースアップ評価料」を届け出ることを誓約する施設が対象となります。現在未届出であっても、この誓約により申請が可能です。

賃金改善の実施方法 支給された給付金は、以下の方法で全額を対象職員の賃金改善に充てる必要があります。
- 対象期間: 令和7年12月分から令和8年5月分までの間。
- 原則: 基本給や毎月決まって支払われる手当の引き上げ(ベースアップ)を実施し、令和8年6月1日以降もその水準を維持・拡大すること。
- 特例(一時金の活用): 給与規程の改定等に時間がかかる場合、令和7年12月~令和8年3月の最大4ヶ月分を「一時金」や「特別手当(インフレ手当など)」として支給することも可能です。ただし、その場合でも4月と5月はベースアップを実施し、6月以降も一時金に相当する水準のベースアップを行う必要があります。

賃金改善における配分の留意事項
- 職種ごとに賃金改善額を傾斜配分すること(例:賃金水準の低い職種に手厚く配分するなど)は認められています。ただし、40歳以上の薬剤師はベースアップ評価料の対象ではなく、今後も対象に含めることは検討されていません。
4. 申請と報告の手続き
- 申請受付時期と申請先: 申請受付は4月中~下旬頃から開始される予定です。薬局に対する支援は都道府県ごとの事業となるため、詳細なスケジュールは各都道府県のホームページ等を確認してください。福岡県などの場合、県庁ではなく委託された民間事務局へ申請を行います。また、賃上げ事業を実施せず、物価支援事業のみの申請も可能です。
- 実績報告: 賃上げ支援事業については、令和8年8月1日(または8月頃)までに「賃金改善報告書」を提出し、給付金が全額賃金改善に充てられたかどうかの確認を受けます。
- 証拠書類の保管: 申請時や実績報告時に賃金台帳などの添付は原則不要ですが、確認のために提示を求められる場合があるため、補助金の額の確定後5年間は施設側で帳簿等を保管する義務があります。
- 補助金の返還: 給付金を賃金改善に全額充てきれなかった場合(残額が発生した場合)や、令和8年1月1日時点において廃止している場合、正当な理由なく廃止した場合、または不正受給が判明した場合には、給付金の全部または一部の返還が求められます
万が一の運用ミスが重大な個別指導を招く恐れもあるため、自社のみで抱え込むのは推奨できません。制度を安全かつ最大限に活用し、適法な賃金設計と確実な報告体制を構築するためにも、まずは労務の専門家である「社会保険労務士(社労士)」へ早期に相談し、実務サポートを仰ぐことを強くお勧めいたします。
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