【クリニック向け】2026年診療報酬改定 短冊 基本診療料・外来医療・かかりつけ医機能・在宅医療・医療DX 最新動向を簡単に解説(2月1日現在)

厚生労働省は1月28日、1月30日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「個別改定項目について(その2)」「個別改定項目について(その3)」を議題としました。具体的な点数はまだ伏せられたままですが、ついに、2026年の診療報酬改定の実態が見えてまいりましたので、速報としてお伝えいたします。

物価高騰や賃上げへの対応、かかりつけ医機能の評価見直し、在宅医療の質の向上、医療DXの推進などが大きな柱となっています。「物価対応による収入増」と引き換えに「DX化・災害対策・重症化予防への具体的貢献」を求める内容となっています。

詳細をお知りになりたい方は、中央社会保険医療協議会 総会(第645回) 議事次第(リンクページ)中央社会保険医療協議会 総会(第646回) 議事次第(リンクページ)をご確認ください。

1. 物価高騰・賃上げ対応と基本診療料の引き上げ

初・再診料等の引き上げ: 診療所の初診料、再診料、および有床診療所入院基本料の点数が引き上げられます,。

「物価対応料」の新設: 令和8・9年度の物価高騰に対応するため、外来・在宅・入院(有床診含む)において「物価対応料」が新設されます。

    ◦ 段階的評価: 令和9年6月以降は、点数が倍増(所定点数の100分の200)する仕組みとなります,。

ベースアップ評価料の見直し: 「外来・在宅ベースアップ評価料」等について、継続的に賃上げを実施している診療所とそれ以外で評価が区分され、令和9年6月以降はさらに評価が引き上げられます,。

2. 生活習慣病・かかりつけ医機能の評価見直し

生活習慣病管理の要件が大きく変更されるとともに、他科連携や災害対策が強化されます。

生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)の要件変更:

    ◦ 包括範囲の縮小: 生活習慣病の管理と直接関係のない検査や、時間外・救急対応などは包括範囲から除外され、出来高算定が可能になります,。

    ◦ 他科連携の評価(新設): 糖尿病患者に対し、眼科や歯科と連携した場合の「眼科医療機関連携強化加算」「歯科医療機関連携強化加算」が新設されます,。

    ◦ 事務負担軽減: 療養計画書への患者署名が不要となります,。

地域包括診療加算等の対象拡大:

    ◦ 対象患者に**慢性心不全、慢性腎臓病(透析除く)**が追加されます,。

    ◦ 認知症地域包括診療加算は、地域包括診療加算等に統合・整理されます,。

    ◦ 連携薬局要件の緩和: 院内処方で緊急時の解熱鎮痛剤等に対応できる体制があれば、連携薬局の「24時間対応」要件が緩和されます,。

時間外対応体制加算: 名称が「時間外対応体制加算」に変更され、評価(点数)が引き上げられます,。

機能強化加算: 災害時の業務継続計画(BCP)の策定が要件に追加されます,。

特定機能病院等紹介患者受入加算(新設): 特定機能病院等からの紹介患者を診療所(または200床未満の病院)が初診で受け入れた場合の評価が新設されます,

3. 在宅医療の質の向上と災害対策

在宅療養支援診療所のBCP義務化: 業務継続計画(BCP)の策定および定期的な見直しが要件化されます,。

連携型機能強化型の要件厳格化: 複数の医療機関で連携する場合、自院で実際に往診体制(当直等)を確保しているかどうかで評価が細分化されます,。

在宅緩和ケア充実診療所・病院加算: 名称が変更され、看取りや緩和ケアの実績に応じた評価体系に見直されます,。

残薬確認の義務化: 在宅時医学総合管理料等の算定において、患家の残薬を確認し、適切な服薬管理を行うことが要件とされます,。

4. 医療DXの推進(加算の再編)

既存の加算が廃止され、新たな体制整備加算へと再編されます。

電子的診療情報連携体制整備加算の新設: 「医療情報取得加算」および「医療DX推進体制整備加算」は廃止され、初診・再診時に算定可能な「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されます。電子処方箋の発行体制や電子カルテ情報共有サービスの活用などが要件となります。

5. 有床診療所に関する見直し

医師配置の柔軟化: 有床診療所入院基本料の「医師配置加算」等において、非常勤医師の実労働時間を常勤換算して算入できるようになります。また、常勤医師の週所定労働時間の基準が32時間から31時間に見直されます

6. その他

長期処方・リフィル処方箋: 特定疾患療養管理料等の要件として、28日以上の長期処方やリフィル処方箋に対応可能である旨を院内に掲示し、患者の求めに応じて対応することが追加されます,。

一般名処方加算: バイオ後続品(バイオシミラー)のあるバイオ医薬品についても、一般名処方の評価対象となります。

まとめ

1. 物価高騰・賃上げへの緊急対応

 経営基盤を守るため、診療報酬の点数が全体的に引き上げられます。

  • 基本診療料の増点: 初診料・再診料などのベースが上がります。
  • 「物価対応料」の新設: 外来・在宅・入院すべてに適用。令和9年6月からは点数が倍増します。
  • 賃上げ支援: 「ベースアップ評価料」が見直され、継続的な賃上げを行う施設への評価が手厚くなります。

2. 外来・在宅医療(かかりつけ医機能)の再編

管理料の要件が整理され、「連携」「災害対策(BCP)」がキーワードとなります。

  • 生活習慣病管理料: 検査等の包括範囲を適正化し、眼科・歯科との連携を新たに評価。患者署名は不要になり事務負担が軽減されます。
  • 対象疾患の拡大: 地域包括診療加算の対象に、慢性心不全・慢性腎臓病が追加されます。
  • BCP(業務継続計画)の必須化: 機能強化加算や在宅療養支援診療所の要件として、災害時のBCP策定が求められます。
  • 在宅医療の質: 患家の残薬確認が義務化されます。

3. 医療DXとシステム連携

デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の加算が一本化されます。

  • 新加算へ移行: 従来の「医療情報取得加算」等は廃止され、「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されます。電子処方箋やカルテ情報共有サービスの活用が必須要件となります。

4. その他(有床診・処方ルール)

  • 有床診療所: 非常勤医師の時間を合算できるようになり、人員配置基準が柔軟化されます。
  • 処方ルール: 長期処方・リフィル処方箋への対応可否を掲示することが要件化されます。また、バイオ後続品も一般名処方の対象となります。

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※2026年2月1日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。