【クリニック向け】2026年診療報酬改定 答申 地域包括ケア・在宅医療の評価見直しについて(3月5日現在)

今回の改定では、診療所のかかりつけ医機能の評価や、在宅医療における対応力を強化するため、対象疾患の拡大や点数の引き上げ・再編が行われました。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者作成)
※医療DXと情報連携の推進については次回の解説でお伝えいたします。
見逃さないためのメール配信の登録はこちらです↓
1. 地域包括診療加算
地域の診療所における、複数の慢性疾患を有する患者に対する継続的かつ全人的な医学管理を評価する加算(再診料の加算)です。対象疾患が拡大され、認知症患者に対する評価が手厚くなりました。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者作成)
- 対象医療機関: 施設基準の届け出を行った診療所。
- 対象患者と対象疾患の拡大:
- 従来の「脂質異常症、高血圧症、糖尿病、認知症」に加え、新たに「慢性心不全」と「慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る。)」が追加されました。
- これらのうち2つ以上の疾患を有する入院外の患者が対象となります。
- 点数の再編と引き上げ(月1回):
- これまで別に存在していた「認知症地域包括診療加算」が廃止(統合)され、患者が「認知症を有するかどうか」で点数が区分されるようになりました。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者作成)
- 地域包括診療加算1
- 認知症を有する患者等の場合:38点(引き上げ)
- その他の慢性疾患等を有する患者の場合:28点(据え置き)
- 地域包括診療加算2
- 認知症を有する患者等の場合:31点(引き上げ)
- その他の慢性疾患等を有する患者の場合:21点(据え置き)
2. 時間外対応体制加算
診療所が、再診患者からの電話等による問い合わせに対し、常時対応できる体制を整備していることを評価する加算(再診料の加算)です。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者作成)
- 名称の変更: 従来の「時間外対応加算」から「時間外対応体制加算」に名称が変更されました。
- 点数の引き上げ: 届け出ている体制の区分(1〜4)に応じて、点数が全体的に引き上げられました。
- 時間外対応体制加算1: 5点 → 7点
- 時間外対応体制加算2: 4点 → 5点
- 時間外対応体制加算3: 3点 → 4点
- 時間外対応体制加算4: 1点 → 2点
3. 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)
在宅で療養を行っており通院が困難な患者に対して、計画的な医学管理の下に定期的に訪問して診療を行った場合に算定する基本点数です。この基本点数が引き上げられました。

(出典:厚生労働省『個別改定項目について(令和8年2月13日)』を基にAIを用いて筆者作成)
- 在宅患者訪問診療料1(通常の訪問診療の場合)
- 同一建物居住者以外の場合(単独の戸建てなど):888点 → 890点
- 同一建物居住者の場合(同じマンション等の他の患者にも同日に訪問診療を行う場合):213点 → 215点
- 在宅患者訪問診療料2(他の医療機関の求めに応じ、紹介されて訪問診療を行った場合等)
- 同一建物居住者以外の場合:884点 → 886点
- 同一建物居住者の場合:187点 → 189点
まとめ
今回の改定における「地域包括ケア・在宅医療の評価見直し」の要点は、地域の診療所が持つかかりつけ医機能と在宅医療への対応力をより高く評価し、体制強化を後押しすることです。これらの見直しにより、地域の診療所が複数の疾患(特に認知症、心不全、腎臓病など)を抱える高齢者を包括的に診察し、時間外の問い合わせにも対応しながら在宅での療養を支えるという役割が、これまで以上に高く評価される仕組みとなっています。
今後も最新情報等を見逃さないため、メール配信の登録をお勧めいたします。
※2026年2月13日時点の情報に基づき作成していますが、内容の正確性を完全に保証するものではありません。制度改正の詳細は流動的なため、本情報によって生じた不利益について責任は負いかねます。必ず最新の公文書等と照らし合わせてご確認ください。

